
ブランドの原点を守り 育む拠点でありたい
NOT A HOTEL NASU サービススタッフ田村 渓人

NOT A HOTEL NASU サービススタッフ
田村 渓人
NOT A HOTEL NASU サービススタッフ。栃木県宇都宮市出身。大学卒業後、ホテル・レストラン運営会社に入社し、都内大規模レストランを中心に約4年間勤務。お客様一人ひとりに深く向き合いたいという思いから、2023年2月にNOT A HOTELにジョイン。那須を拠点に、清掃クオリティマネジメント、設備維持、ゲストサービス全般を担当し、「見えないサービス」の追求を通してブランドの価値向上に貢献している。
NOT A HOTEL NASU のサービススタッフ・田村渓人。一日に100名を超えるゲストが訪れる大規模なレストランやホテルで接客の最前線に立ち続けるなか、「一人ひとりの滞在に、もっと丁寧に寄り添いたい」という思いが強まり、NOT A HOTEL への転職を決意しました。
田村が那須で向き合っているのは、ゲストと直接顔を合わせない清掃やメンテナンスといった“裏方”の仕事。そこで求められるのは、ただ整えるのではなく、「完璧な状態をつくり続けること」。そして、その“当たり前”を更新していく意志こそが NOT A HOTEL らしさだと語ります。
多様な現場で培った視点をもとに、那須という拠点をどう支え、どう磨き続けているのか。その背景にある価値観を辿ります。
よりパーソナルなホスピタリティを
━━━ NOT A HOTELに入社するまでのキャリアについて教えてください。
高校卒業後に埼玉の大学へ進学し、東京のホテル・レストラン企業である聚楽(じゅらく)に入社しました。アルバイト時代から接客業がとにかく楽しく、その延長でプロとして働きたいと思ったのがきっかけです。入社後はレストラン勤務が中心で、多い日には100〜200名ものお客さまが来店される銀座の店舗を担当していました。
━━━大規模店舗でのキャリアから、なぜNOT A HOTELの「パーソナルなサービス」を選んだのでしょうか?
前職では大規模オペレーションが前提の、効率的で標準化された接客が求められていました。そうした環境を経験するうちに、もっとお客さま一人ひとりに深くフォーカスし、パーソナライズしたサービスを提供したいという思いが強くなっていきました。
そんななかで出会ったのが NOT A HOTEL です。 “圧倒的な建築”というハード面と、“お客さまに合わせてつくるサービス”というソフト面の両立に強く惹かれました。NASUのように、一棟貸しで少人数のお客さまに集中できる環境は、まさに自分が目指していたサービススタイルだと感じましたね。
━━━入社して、もっとも驚いたのはどんな点ですか?
業務の幅が圧倒的に広いことです。サービス職として入社しましたが、清掃はもちろん、設備の維持メンテナンス、外構の木を塗る作業、芝刈りなど、本当に多岐にわたります。
さらに驚いたのは、各部署が連携し、問題解決まで一気通貫で持っていくスピード感です。
設備の知識がほとんどない私でも、LCM(ライフサイクルマネジメント)チームがすぐに改善策を提案してくれる。
ただ“分からないから聞く”のではなく、まず運営メンバー自身が対応できるように知識共有や仕組みづくりが整備されている——この体制自体、大きな驚きと学びになりました。

直接会わないからこそ追求する価値
━━━ NOT A HOTELで働くなかで、サービスへの価値観はどのように変わりましたか?
前職のレストランでは、お客さまのすぐそばでリアルな反応や空気感を感じられることがやりがいでした。一方、現在の業務ではお客様と接する場面が限られています。そのぶん、裏方としての価値がより重要になると強く感じています。「直接の接客だけがサービスではない」という意識で働くようになりました。
なかでも清掃は、ただきれいにする作業ではなく、「どこが汚れやすいか」「どこを確認しておくと気持ちよく過ごせるか」という想像力を使う仕事です。
チェックリストをこなすだけではなく、その場でリカバリーがきかないぶん、完璧な状態をつくるための準備に責任を持つことが求められます。お客さまと顔を合わせない時間にどれだけお客さまと真摯に向き合えるか——。これこそが「見えないサービス」であり、今もっとも注力している部分です。
━━━「見えないサービス」の追求において、前職との違い、またNOT A HOTELで新しく学んだことは?
前職で身についたのは「標準化」と「効率性」。それに対してNOT A HOTELで学んだのは、予期せぬ事態への「対応力」と「(知識をチームで)共有する文化」です。
一棟貸しという性質上、トラブルが起きても他の部屋に移っていただくことはできません。だからこそ、軽度の設備トラブルであれば、運営メンバー自身が即時対応できる必要があります。そのために、日頃から LCMチームと連携し、知識をインプットしています。
たとえば、スマートホーム機器の操作方法、水回りの軽微な不具合への応急処置など、以前なら「外部業者さんを呼ぶ」で終わっていたことを、今は「まず自分たちで対応する」姿勢に変えました。
その結果、問題解決のスピードが上がり、それがそのままゲストの安心感につながる。この“自律的に動ける裏方力”こそが、NOT A HOTELの価値を支えていると感じています。
━━━それが田村さんが考える「NOT A HOTELらしさ」につながるのでしょうか?
そう思いますね。“当たり前”を、高いレベルで積み重ね続けること。 これは私が最も大切にしている考えです。
清掃のようにゲストから直接見えない部分こそ、滞在体験に大きく影響します。だからこそ、完璧な状態をつくり、それを常にアップデートし続ける意志が必要だと思っています。
NOT A HOTELのブランドは、現場が最後に受け取る“最後のバトン”だと感じています。 現場がそのバトンを丁寧に守りきれれば、ゲスト体験も守られる。反対に、そこを疎かにするとブランド全体の価値を損なってしまう。 この責任を背負いながら、完璧なクオリティを維持し続けること。 それが、ゲストに届けられる何よりのメッセージだと思っています。

些細なことの積み重ねが価値になる
━━━NOT A HOTELが「世界に通用するホテルブランド」になるために、今実践していることはありますか?
私が大切にしているのは、“人生の時間とともに積み重なっていく体験”をつくることです。
NOT A HOTELには、一度きりではなく、季節が変わるたび、人生の節目ごとに訪れてくださる方が多くいらっしゃいます。だからこそ、その都度「その人にとって最適な滞在」を形づくることが、ブランドの価値にもつながると思っています。
その実現には、些細なことの積み重ねが欠かせません。チェックイン前には過去の滞在を丁寧に読み取り、テラスで過ごす時間を好む方には、そのための準備を、タオルを多く使われていた方には、あらかじめ余分に用意しておくといった、ごく小さな配慮を一つひとつ積み上げていきます。
大きなサプライズではなくても、 「自分のことを覚えていてくれた」と感じられる瞬間は、滞在の印象を静かに深めていきます。そうした微細な積み重ねこそが、また訪れたいと思っていただける体験につながると信じています。
━━━那須はNOT A HOTELにとって原点とも言える場所です。この場所で働く魅力、そして今後の目標について教えてください。
那須には特に上位ランクのハウスが集まっていて、求められる水準も自然と高くなります。だからこそ、毎回の業務に適度な緊張感があり、その環境で働けること自体が大きな魅力です。同時に、この“原点”の場所を良い状態で保ち続けることが、NOT A HOTEL全体の信頼にも直結するという責任を強く感じています。
今後は、那須で培ったクオリティの基準を各拠点にも共有しながら、自分ならではの価値を出していければと思っています。那須のメンバー全員が、「このブランドを守り、さらに良くしていくのは自分たちだ」という誇りを持ち、最高水準を更新し続ける。その姿勢をチーム全体で育てていきたいです。

キャリア
2017年4月
大学入学。アルバイトで接客業に勤しむ。
2021年4月
大学卒業後、聚楽(じゅらく)に入社。都内レストランを中心に約4年間、接客・調理・マネジメント業務に従事。
2023年2月
NOT A HOTELに入社。那須のサービススタッフとして、運営・清掃・メンテナンス業務を担当。
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