EPISODE 06業界未経験のソムリエが
大切にする“実現する思考”
Project Manager野村 大智
NOT A HOTELの運営業務はすべて、グループ会社である「NOT A HOTEL MANAGEMENT」が担っている。全拠点のプロジェクトマネージャーを担う野村大智は、NOT A HOTELらしい体験を現場で実現するリーダーの一人だ。一見、難しいと思えるお題でも、まずは「YES」から入り、実現するまで粘りに粘り、これまで幾度となくプロジェクトを成功に導いてきた。
バーテンダーやソムリエとしてのバックグラウンドを持つ彼だが、実はホテル業は未経験。そんな彼が難易度の高いプロジェクトを実現できたのはなぜか。常識を超えて進化する「NOT A HOTELの運営」が目指す姿を見つめていく。
僕らはまず「YES」から始めて、実現させていく
ー野村さんはレストランサービスの経験はあるものの、ホテル業界は未経験ですよね。不安はなかったのでしょうか。
野村:ホテルで働いたことがないから、良かったのかもしれないと思っています。NOT A HOTELはまったく新しい業態なので、固定概念がある人よりも、ゼロから考え、改善できる人の方が向いている気がします。無知だからこそ踏み込めた部分はあるんじゃないかなと。
ーでは逆にレストランサービスの経験はどう活かされましたか。
野村:変化の早いレストランサービスの経験は役立っている気がします。レストランの営業では、常に変化するのが当たり前のシチュエーションばかりですから。レストランのようなスピード感でホテルをつくることが、私たちの強みになっていますね。NOT A HOTELの仕組み自体が世の中にないので、運営面において普通のホテルをつくっても意味がありません。
ワクワクもするから、無茶振りされる方が楽しい
ー入社以降、「これは不可能かも」と感じたことはありましたか。
野村:特に印象的だったのは NOT A HOTEL AOSHIMAのリネンクリーニングのプロジェクトですね。 AOSHIMAは6部屋で、洗濯するリネンも少数なんですが、リネンが高品質なこともあって、周囲のクリーニング店に依頼すると非常に高額になってしまう。自分でもコインランドリーで試してみたりはしましたが、解決策にはならなくて。最終的には、機材を導入し、運営オペレーションまで賄えました。
ーそもそもリネンの質を下げる、という選択肢はなかった?
野村:ありえません。確かにポリエステル混のものであれば洗濯や管理は楽ですが、やはり上質な綿の生地感と光沢は大切にしたい。いまでは内製化できているので、インフラを整えづらい場所でも、ミニマムの設備で運営できるようになりました。
ーまさに不可能を可能に変えたエピソードですね。
野村:柔軟性が大切で、余計なプライドを持っていなければ、何でも「YES」から始めて考えられるんだ、って改めて感じたプロジェクトですね。そのうえで、検討材料を集めてきて「やる・やらない」の判断を仰ぐように打ち返す。このスタンスが基本です。あと、無茶振りされる方が楽しいし、ワクワクするじゃないですか。
“NOT A HOTEL MANAGEMENTらしさ”を求めて
ーこの「YES」から始めるスタンスのポイントは何だと思いますか。
野村:未知の事に心から楽しいと思いながら取り組んでいるので、辛いことをしている感覚はないです。そういうメンタルで働いていると、メンバーも自然と楽しめる環境が整ってくる。ずっと文化祭の前夜みたいな感じです。あと僕たち運営は、とても責任ある役割を任せられていると思っていて。
ーというと?
野村:NOT A HOTELはソフトウェアから建築、運営に至るまで全て自社で開発しているのも特徴で、サービス設計の最後の部分が「運営」なんですよね。ここで些細なことでも顧客体験を損なうことがあれば、多くのチームがつくり上げてきたものを毀損してしまう。でも、その重たい責任に潰されるようなマインドでやるのではなく、前向きにサービスの最後の重要な部分を担っている感覚でやっています。まずは「YES」というマインドで受け止め、変化し続けられるチーム。それが「NOT A HOTEL MANAGEMENTらしさ」なんじゃないかなって思います。
ーでは最後に、2024年の“超えていきたい常識”を教えてください。
野村:“サービスの常識を超えていく”ですかね。フレキシブルでありながら、均一化されていない、それがNOT A HOTELのサービスです。今後、これまでにない規模のプロジェクトも展開していきますし、それに見合ったサービスをゼロからつくる必要がある。全て異なる個性を持ったNOT A HOTELですが、どこも“NOT A HOTELらしいね”と言ってもらえるようなサービスをつくっていきたいですね。
STAFFTEXT:Kento HasegawaEDIT/PHOTO:Ryo Saimaru