2022 WINTER
都心からほんの90分、那須に広がる
16万坪の牧場で20頭の馬と過ごす。
突き出るプール、独立して佇む離れなど
趣の大きく異なる3つの家が点在し、
それぞれに備わる自分だけのサウナや露天風呂。
広大な自然以外に余計なものは何もない。
広い牧場の高台で、気持ちがととのう一軒家。
土地が持つ傾斜に沿って建設された、幾つものレイヤーが重なる家は、土色の外装で周りの景色と溶け合います。480平米もの広大な空間には、3つのテラスやプールにサウナ、ファイアプレイス、屋上につながるゲストルームなど、異なる多様なシーンが点在。それらをリズミカルに繋ぐ有機的な飛び石の階段も魅力です。
広大なプールへのアクセスは、暗く光の絞られた洞窟のような細道。僅かに漏れ出る視線の先の光に導かれ、段々と外の世界と繋がります。
メインのテラスから一段下がったフロアにひっそりと位置するファイアプレイス。奥行きあるソファにゆったりと腰掛け、食後にゆっくり仲間と語らう。生い茂る緑に囲まれ火を囲む、都会では体験できないゆったりとした時間が流れます。
引き戸を全開にすると、外と中が完全に溶け合うリビングダイニング。屋根のある屋外と化した開放的な空間では、空調の整うストレスのない部屋の中にいながらも、森の中で過ごす時のような、一層リラックスしたムードで食事や団欒を楽しめます。
窓が斜めに傾くベッドルームでは、満点の星空を眺めながらゆっくりと眠りにつく贅沢を味わえます。夜は都心では味わえない星の輝きをたっぷりと眺め、朝は澄んだ青空に目を覚ます。一日のはじまりから終わりまで、豊かな自然を楽しみ尽くすことのできる空間です。
NOT A HOTEL NASUで唯一、ペットが同伴できるのもこの場所の特徴。眼下に広がる専用のドッグランで愛犬と遊んだあとは、ウッドデッキに戻り専用プールで身体を洗って部屋に戻れます。近隣の目や鳴き声を気にせず、存分にペットとの賑やかな休暇を楽しめます。
※建物のパースはコンセプト段階のものであり、実際の建物や周辺環境など変更になる場合があります
建築家
谷尻 誠
Makoto Tanijiri
1974年 広島生まれ。2000年建築設計事務所SUPPOSE DESIGN OFFICE設立。2014年より吉田愛と共同主宰。広島・東京の2ヵ所を拠点とし、インテリアから住宅、複合施設まで国内外合わせ多数のプロジェクトを手がける傍ら、穴吹デザイン専門学校特任講師、広島女学院大学客員教授、大阪芸術大学准教授なども勤める。近年「絶景不動産」「tecture」「社外取締役」「toha」「DAICHI」をはじめとする多分野で開業、事業と設計をブリッジさせて活動している。
吉田 愛
Ai Yoshida
建築設計事務所SUPPOSE DESIGN OFFICE。2000年設立。谷尻誠と共同主宰。広島・東京の2ヵ所を拠点とし、住宅、商業空間、会場構成、ランドスケープ、プロダクト、インスタレーションなど、国内外で幅広い分野のプロジェクトを多数手がける。
最近では、東京事務所併設の「社食堂」、「BIRD BATH & KIOSK」「絶景不動産」を開業するなど活動の幅も広がっている。2021年、新たに空間の企画やディレクション、インテリアスタイリングを事業の核とする「etc inc.」を設立。
House T
2020年に完成した、谷尻が自ら設計した自邸。照明を抑えることで、NOT A HOTEL NASUでも提案した「暗さ」のある空間を実現。荒々しい質感のコンクリートに囲まれた100㎡の空間にはほぼ仕切りはなく、「洞窟のような場所」が完成した。空調は用いず、夏は天井に配したパイプに冷水を通し涼を、冬は床下に温水を流し暖炉の火で暖をとる。谷尻が幼少期を過ごした町家の原風景を、現代の技術によって心地よく再現したような空間が生まれた。
Photo : Toshiyuki Yano
千駄ヶ谷駅前公衆トイレ
首都高速道路高架と地下鉄国立競技場駅の間に位置する、まったく新しい公衆トイレ。高さ7.5mのコンクリートの立方体から成り、4周の外壁は50cm浮いている。この「大きな気積と浮いた壁」により、従来の公衆トイレがもつ閉塞感や不安感といった印象を払拭。屋根のスリットから差し込む光は、季節や時間帯によって異なる顔を見せる。また洗面は男女が共有できるよう中央に配置するなど、多様性を尊重する現代の価値観も体現している。
Photo: Kenta Hasegawa